研修医終了後は、様々な選択肢があります。大学に残り、専門分野を学ぶ、もしくは研究する。口腔外科に勤務する。一般歯科で勤務医として働く。どの選択も間違いではありませんし、途中から方向性を変えるもの良いかと思います。しかし意識して頂きたいのが、「初期の診療スタイルが習慣化され、癖になる」ということです。特に一般歯科ではより大きく影響します。一旦悪い癖がついてしまうと、後からその癖を治すのは非常に難しくなります。そのため、最初にどのような歯科医院や研修先で治療を身に付けるのかは大切なポイントになります。私も勤務医時代に、時間に追われ、いつの間にか様々な癖が付いてしまっていました。しかし、その中で幸運だったのが、あるセミナーへの参加で、すべての診療内容ををブラッシュアップできたことで、そしてそれが現在の治療のベースとなっております。
開業後、私が常に意識している事は、「あたり前の事を行う」ということです。時間に追われていますと、この「あたり前の事」が行えていないのです。勤務医時代にそこに気づけたことは、私の財産と言えます。
正直、選択した歯科医院や指導医によって、技術の習得に差が出ることもあります。競争の厳しい環境を生き抜いていくためには、勤務医時代という修行期間をどのように過ごし、知識や技術を向上させていくかが鍵になると言えます。